聖地巡礼パック旅行物語(その40)=シロッコが吹き続けて・・・

by yoshi

シロッコ砂嵐


長かった旅も、ここまで来れば終わったようなものである。それで、われわれ巡礼たちも、船長や船員や漕ぎ手たち全員とともに、船乗りの守護聖人である聖ニコラに捧げられた教会に、 長い旅から無事帰れた感謝のミサをあげにいくことになった。これは、航海を終えて母国に帰るヴェネツィアの船乗りたちが、ヴェネツィアに入港する前に、行うのを習慣にしている行事である。ところが、その時は、聖ニコラは留守であったのか、われわれの帰国の願いは、なかなか聴き届けられなかった。なぜなら、シロッコが吹き続けて、ここ何日かは、風の方向は変わらないであろうというのが、船長の下した判断であったからである。パレンツォからヴェネツィアへ向かうには、この南西の風は完全に逆風になる。船長は、ここまで来たのだから先を急ぐことも無いと、シロッコが止まるまで、パレンツォで停泊すると決めてしまった。・・・・・==>サントブラスカさんたち何人かの先を急ぎたい巡礼は、小舟に乗り換えて、沿岸沿いを迂回して、ヴェネツィアまで帰りました。


では、往路でも復路でも、巡礼船の航行に影響を与えたシロッコとは、どんな風なのでしょうか?

シロッコ砂嵐2

シロッコによる砂嵐を捉えた衛星写真

シロッコは、初夏にアフリカから地中海を越えてイタリアに吹く暑い南風(あるいは東南)である。サハラ砂漠を起源とする風で、北アフリカでは乾燥しているが地中海を越えるためイタリア南部到達時には高温湿潤風となり、時に砂嵐を伴う。(ウィキペディア)

 

 

 

二ュース等で話題になっていた 下の風景もシロッコの影響によるものだったのですね。

サン・マルコ広場の浸水
sannmaruko大潮、低気圧、そしてアドリア海の東南から吹く風「シロッコ」の3つの要因が重なると、「アックア・アルタ=高水の意)」と呼ばれる高潮がヴェネツィア湾で起こり、ヴェネツィアの街中まで水が入り込み、一番低い「サン・マルコ広場」は水没する。 ヴェネツィアは、大規模な可動式防潮堤の設置を進めていますが、効果のほどはどうなのでしょうか。

シロッコについては、ヨーロッパ人が非常に不快だとたくさん書き残してるようです。シチリアやイタリアにくると湿気を含むが不快感はばっちり残る。「ヴェニスに死す」にもこの風の不快さが書かれています。(幻想世界神話辞典)

ということなので、「ヴェニスに死す」を図書館から借りてきて読んでみました。

トーマス・マン原作 「ヴェニスに死す」より (実吉捷朗 訳)
————気持ちの悪いむしあつさが、街上によどんでいた。空気が非常に濃いので、住居や店や小料理屋などからわき出すにおいだの、油の臭気だの、香料のもやだの、そのほかいろいろなものが、散らないでもくもくと漂っているほどだった。巻煙草のけむりは、ひとつところにたゆたっていて、なかなか消えてゆかない。狭いなかで押し合う人の群れは、この散策者を楽しませるかわりに、うるさがらせた。長く歩いていればいるほど、このいとわしい状態は、いよいよ苦しく彼をとらえていった。これは、海風が熱風(シロッコ=ルビで)と一緒になって引き起こすことのある、興奮と弛緩とをかねた状態なのであった。せつない汗がにじみでた。———-

こんな風にシロッコが登場します。全部紹介できないのが残念ですが、この他にも何回か登場します。その不快さと共に それぞれの場面が印象に残りました。(実吉さん訳のこの本、後でもう一度ゆっくりと読んでみたいです)

シロッコ以外に、この辺りに吹く風にはどんなものがあるでしょうか。
地方風

画像はhttp://www.azeta.jp/11-12_tiri/06/tityuukai.htmlから頂きました。

ボーラは、冬期に北から冷たく澄んだ天候をもたらす。ユーゴ(Jugo、jugとはクロアチア語で南を意味する)またはシロッコは暖かく、南から雨雲を連れてくる。夏のそよ風は、陸から海へ向けて吹きミストラルと呼ばれる。(ウィキペディア)

 

Comment

  1. むかご より:

    キャッチ画像はなに? と思ったらべったりと貼りついたシロッコなんですね。

    ヴェニスに死すは映画も見ました。あの涼しげな青年とは逆に、あの作家?音楽家?だかのおじさんの暑苦しさ、異様さが際立ってましたね。

    早速本を読んでみたんですね。素晴らしいわ。

  2. yoshi より:

    むかごさんも映画ご覧になりましたか。
    私も、若い時に観ました。

    青年よりも、若くない作家の表情の方が強烈に焼き付けられました。
    特に、ラストの方の顔は気色悪かった・・・。

    本は、ななめ読み。まだ借りてあるので じっくり読もうと思ってます。
    実吉さんの訳が最初はなじめなかったのですが、途中から引き込まれました。

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