聖地巡礼パック旅行物語(その41)=巡礼を終えてヴェネツィアに帰る

by yoshi

ヴェネチア アイキャッチ


ヴェネツィアに着いたのは、10月22日であった。波の上に見えはじめたこの都が、どれほど美しく見え、どれほどわたしの心をなごませてくれたことであろう。
あまりの安心のために、特に不便な小舟での最後の数日の旅の疲れのために、3日間というもの、わたしは死んだように眠り続けたのである。


 

ヴェネツィア1 ヴェネツィア2

画像は、http://dlift.jp/photo/photoDisplayWorldHeritage342より。
他にも美しいヴェネツィアの写真が沢山ご覧になれます。

行きの船旅だけで45日、ヤッファから上陸して聖地を巡礼し、再びヤッファにもどってきて船で発つまでが22日、帰りの船旅が72日間という長い長い旅でした。これに故郷からヴェネツィアまでの往復に要した日数と、ヴェネツィア滞在の日数を合わせると更に長くなります。それに、今の時代の豪華客船に乗って優雅に船旅というのとは違って、快適さとは程遠いものだったのでしょうから、それでも成し遂げる信仰の力ってすごいものですね。

ヴェネツィアについては、水爺さんが たくさん紹介して下さっていますので、私は、独断と偏見で選んだヴェネツィア関連の映画と本を少しだけ紹介して今回の旅行記を終わりにしたいと思います。

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まず 映画。
前回の「シロッコ」のところでご紹介した「ヴェニスに死す」です。
昔観たので、ほとんど忘却の彼方になっていますが、美しいヴェネツィアの風景と作曲家の異常とも思える少年タージョを見つめる表情がしつこく心に残りました。そこでもう一度観てみたいと借りてきました。

原作 トーマス・マン   監督 ビスコンティー (ユーチューブより)

芸術家として行き詰まり、体調を崩して療養のためベニスを訪れたドイツ人の作曲家アッシェンバッハは、感覚が生む美を信じなかった彼の信念を覆す、美少年タージョに出会う」 ここから物語が始まります。
あるシーンで、アッシェンバッハが呟きます。
———砂時計の砂が無くなったことに気づくのは おしまいの頃になってだ。それまでは誰もほとんど気にしない。最後の頃まで。時間が過ぎて気がついた時にはすでに終わってしまっている。———
アッシェンバッハの、芸術家として、また一人の人間としての人生を象徴している言葉で印象的でした。興味のある方はどうぞご覧下さい。

次に本の紹介です。
塩野七生著のこの3冊です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

(左から)
「緋色のヴェネツィア  聖マルコ殺人事件」
「銀色のフィレンツェ  メディチ家殺人事件」
「黄金のローマ  法王庁殺人事件」

地中海世界を描いたルネッサンス歴史絵巻の3部作です。

 

「緋色のヴェネツィア」
マルコ・ダンドロが元老院の会議に行く途中、聖マルコの鐘楼から人が落ちるという事件に出くわすところから物語が始まります。落ちた人はマルコの旧知の人でした。そして会議の後、家路に着こうとしているマルコを黒衣の乞食が付けてきました。この乞食こそ、「恥じ入る乞食」と言って、政府内の「没落貴族対策委員会」が認めた制服(眼だけ開いた黒い頭巾をかぶり、足元まである袖付きの黒衣)に身をやつした、10年ぶりに会う親友アルヴィーゼでした。・・・・・・・・・そしてマルコは「10人委員会」に選出されて・・・・・・

架空の人物は、主人公(マルコと恋人オリンピア)だけ、あとは人物も出来事も史実ということで非常に興味深く、一気に読んでしまいました。ヴェネツィアの当時のこと、「10人委員会」のことなども生々しく分かって、面白いです。
2部、3部はまだ読んでいませんが、早く読みたいと思っています。

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サントブラスカさんがミラノに帰ったのは11月の5日。4月29日に出発して以来 およそ半年余りを要した旅でした。

                                                                      完

Comment

  1. QQ より:

    見事な旅の終わり記事!

    なかなか本を読む時間がとれません。
    塩野さんの文はおもしろいですね。
    図書館からの本?
    私も読んでみようかな?
    このごろはDVDとか映画に行ってしまう。
    ダ目な私です。

    いやいや、お疲れ様でした!

  2. Yoshi より:

    QQさん、ありがとさん。。。

    時々、サントブラスカさんを置き去りにしてしまったこと反省してます。

    記事を書いて出すということは、私にとって、とっても恥ずかしくて勇気のいることだったけれど、いい経験をさせていただきました 。感謝、感謝です。

    何はともあれ、終わってよかったね。
    ( ^^)/▽☆▽\(^^ ) カンパーイ

  3. 水爺 より:

     素敵なフィナーレ。
     よかったです。
     仮想旅行の記事を書くのは、僕も、恥ずかしのですが、今は、自分が楽しむために、書いているのだと思ってます。
     じゃ、公開しなくて、密かにやればいいわけですが。
     やはり皆んなに見られてると思えば、できるだけ正確に、かつ面白くしようとするので、結果的に、自分のためになる記事なりますので。

  4. むかご より:

    yoshiさん、本当に素晴らしいラストです。
    お疲れ様でした。

    楽しくってしょうがないの、はまっちゃったのよ。と嬉しそうにおっしゃっていたのを思い出しました。こんな愉しみ、見つけてくださった水爺さんに感謝です。

    本も読んでみたいです。
    今度は細道にどうぞです。

  5. yoshi より:

    水爺さん、楽しいことのきっかけを作って下さったこと感謝してますm(__)m

    そうそう、こんなこともありました。

    まだQQさんが記事を書いてる真っ最中に、
    私の下書き記事がボタンの押し間違いでアップしてしまい、
    慌てたけれどそれを消す方法が分からなくて・・・。

    むかごさんは体調が悪くてお休みだし、QQさんはお出かけだし・・・で、
    聞くこと叶わず。

    困り果てて 水爺さんに「助け下さ~~い」とメールを出させていただいたのでした・・・。
    あの時は本当にホッとしました。。。

    こんなことも含めて感謝でいっぱいです。

    これからも楽しいこと、よろしくお願いいたします。

  6. yoshi より:

    むかごさん、やっとこさで終わりましたね。

    やってることは とっても楽しくてよかったのですが、
    とにかく「若葉マーク」の私なので、右往左往しました。

    せっかく集めた資料のメモが、何もしてないはずなのにロックされたり、
    ワードで書いた記事がグチャグチャにとっ散らかったり、
    極めつけは、最後の最後。全部終わったとホッとしたら、
    その全部をしまってあるSDカードが開かなくなったり、
    アクシデントの連続でした。

    でも、今になって思えば楽しい経験でしたね。
    ありがとうございました。

    お疲れさまでした。
    ( ^^)/▽☆▽\(^^ ) カンパーイ

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